自然が残っていればこその“アウトドア天国”  高橋勝栄会長インタビュー

 海、山、川と九州有数の恵まれた自然が残る延岡市を″アウトドア天国”として売り出そうと今年2月、「のべおか感動体験案内人連絡協議会」(愛称・ノベ☆スタ)が活動を始めました。その会長を務めるのが、延岡市川島町のダイビングプロショップ「延岡マリンサービス」のインストラクター、高橋勝栄さん(39)=延岡市川島町在住=です。ダイビングを通じ、かねてから延岡の素晴らしさを県内外に発信し、延岡の海を毎年3000人以上が訪れる九州有数のダイビングスポットに育てあげてきた高橋さんにとって、ノベ☆スタはこれまでの活動の集大成といえる組織でもあります。高橋さんに設立の経緯や、今後の抱負などを語ってもらいました。 ――今年は延岡の観光元年ともいうべき年でした。その中核となるのがノベ☆スタだと思われますが、設立の経緯を聞かせてください。  ダイビングは海が荒れたら、せっかく延岡に来てくれた人たちが何もできなくなる。そんな時、ダイビングの代わりにカヌーや山登りなどを体験してもらい、延岡ならではの思い出、感動を残せたらいいなと思い、前々からアウトドア協議会のような組織を立ち上げようと考えていました。そんな時、延岡観光協会が主体となり海、山、川の専門家を束ねた組織、現在のノベ☆スタを作る計画が浮上してきました。自分が目指していた方向性と合致したこともあり、会長を引き受けることになったのです。 ノベ☆スタには現在、40人が登録していますが、これまで自分とつながっていなかった人も多く、まさにそうそうたるメンバーがそろいました。もともとフィールドは九州ナンバーワンです。そこをスペシャリストたちが案内するのですから、訪れた人たちには必ず喜んでもらえると確信しています。 ――協議会設立の一番のメリットは何ですか。  協議会の設立は、延岡のアウトドアに関する情報が一元化されたところに大きな意味合いがあります。観光協会が地域コンシェルジュとなり、協会内にある協議会事務局につなげば、感動体験をサポートしてくれる案内人の紹介、宿泊先や移動手段の手配、飲食店の案内など、お客さんは延岡を満喫するためのあらゆる情報を得ることができるようになりました。 ――協議会運営の中で、最も苦労している点は何ですか。  保険制度を含めたリスクマネジメントに一番気を配っています。アウトドアは自然が相手ですから、どんなに気を付けても100パーセント安全だということは絶対ありません。  案内人の中には既にプロとして活動している人もいれば、ボランティアで案内をしてきた人もいます。そうした人たちが同じレベル、すなわちプロ意識を持って、起こりうるリスクに対して高い意識で対処できるようにならなければなりません。そうした点を重点的に考えてきました。 また、アウトドア天国・延岡は、九州ナンバーワンのフィールドが残っているからこそ成り立つものです。そのフィールドが壊れてしまえば、元も子もなくなってしまいます。訪れる人が増えれば、貴重な植物を採取したり、サンゴを壊したりする心ない人も増えてきます。体験を通じて、自然の素晴らしさ、大切さ、環境を守ることの重要性などを伝えていくことで、このフィールドを未来永劫まで守っていくことこそに、この協議会を結成した意味があると思っています。 ――最後に、今後の抱負を聞かせてください。  これまで、“陸の孤島”と呼ばれる延岡に全国からダイバーを集め、おいしいものを食べてもらい、延岡ならではのおもてなしをしてきました。延岡の総合点をあげていくことが地元の振興につながると考え、行動してきました。ノベ☆スタそれぞれのメニューで同様の取り組みをしていくことで、各エリアの人たちが元気になるきっかけになればと思います。農家や漁家に宿泊したり、弁当を現地で調達したり、地元のお土産を買ってもらったり、地域の人たちと交流したりすることで、各エリアに活力が生まれる。そういう組織にしていきたいですね。それが将来的に雇用創出につながっていければ幸いです。 あと4、5年もすれば、東九州自動車道が全線開通します。その時までに、修学旅行生や大型の慰安旅行を受け入れられるような体制づくりをしていきたいと考えています。 ――ありがとうございました。

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